『蟹工船』小林多喜二

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

日本のプロレタリア文学の代表的本らしい。
プロレタリア文学っていうのは、
「なんで貧乏なの?」
「資本主義の上の方にいる奴が搾取してるんじゃね?」
「じゃ、どうする?」
「革命?共産主義?」って流れの文学かな?語弊が多々あると思うけど。


蟹工船は、蟹を取って缶詰にする船の労働者の話。船の中ではひどい扱いを受け、結果、命を落とす人も出てきた。そんななか、学生とかが中心となって、「これだけ工員がいれば負けないんじゃね?」みたいな流れになっていく。で、革命を企画し、監督に詰め寄るんだが…って話。
こっちも語弊が出そうな書き方をしてしまってるけど、大筋こんな感じ。船内でストライキを起こそうとするが、介入した軍は酷使される国民を守るわけではなく、資本主義を一部の特権階級の利益を守ろうとする。それに気づいた労働者は再びストを起こそうとする。


党生活者は、蟹工船の次に書かれていた話。共産党員が労働階級者を解放しようと、日常生活を捨てて、仲間と密に連絡を取り合ったり、チラシを作ったり、搾取している軍需工場に潜入したりして、ストライキを起こさせようと扇動する話。
こっちは結構読みやすかった。


国が豊かになるにつれて暴動とか革命がおこる確率は減るらしいって誰かから聞いた。最近、この本が売れたからと言って革命とかは起きないと思うけど、少しだけ、こういった流れになっちゃっているのかなーと思っちゃったりしてしまった。