『沈黙』 遠藤周作

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

おお。久しぶりのスゴ本。後半の盛り上がり方は異常。
高名なフェレイラ神父が棄教したという知らせが届く。ロドリゴはフェレイラ神父に会うため、そして迷える日本人信徒を導くため禁制が引かれる日本に潜入することになった。日本での信徒の扱いは散々なものであった。拷問の声、殉教の際の声。逃走生活と監禁される生活の中でロドリゴは疲弊していく。なぜ、信徒がこのような扱いを受けているのに神は何も答えてくれないのか?なぜ、沈黙を貫くのか?祈りの先に何があるのか?信徒と棄教をかけられついにロドリゴは選択を迫られる。


って感じのストーリかな。最初はロドリゴの手紙から始まるのだけれども、途中で第三者の視点に移る。ここでちょっと混乱するかも。無宗教なのでわからない部分もあるけれども、「神の沈黙」と「神の愛」は永遠のテーマなのかも?ロドリゴの迷い、宣教師として何をするべきなのか?救う(精神的に)ために信徒を見殺しにするのか?救う(信徒の命を)ためにキリスト教を捨てるのか?この迷いがこの小説を面白いものにしている。
てことで、久しぶりの大ヒット。