佐藤さん

佐藤さん (講談社文庫)

佐藤さん (講談社文庫)


なんという、みずみずしくて淡い感じの小説なんでしょう?まさに青春でした。あぁ、私の青春はどこにあったのでしょう?
幽霊を見ることができる主人公と幽霊に取り憑かれやすい佐藤さん。この2人が一歩ずつ近づき、一歩ずつ壁を乗り越えていく青春ストーリーです。
著者の片山優子さんはこの小説を書いたとき中学生だったそうです。このような文章を書ける、そして考えられる中学生がいるとは、まだまだ、日本の文学界は大丈夫のようです。そういえば第一回12歳の文学大賞の「月のさかな」もすごいレベルの作品でした。小説を書こうかな?って思った時期もありましたけど、こういった若い人のすごい作品をみると自分の才能の限界を感じますw

ギャクタイはまだカタカナのままで、相変わらず遠い世界のありふれあ話のままだった。
人生ってたぶん、スタバの前で転んで笑うようなもんなのだろう。

とか、私じゃ一生たどり着けない一行だなと思う。正直、森絵都さんの「つきのふね」と同じくらい面白かった。「大型新人の登場」って森絵都さんも言っていたけど、まさにその通りである。直木賞受賞の「風に舞い上がるビニールシート」より10倍は面白い小説でした。