さくら -西 加奈子

さくら

さくら

「年末、家に帰ります」と父からの手紙が僕の手に届く。
兄が死んでから家族はバラバラだった。家から逃げた父、暴飲暴食をする母、引篭もる妹、大学入学を機に家から出た僕。兄がいた頃の家族はどこか歪で、でも暖かくて幸せだった。兄の事故、そして自殺を機に歪だった家族の歯車は回らなくなる。
妹が生まれて、犬のサクラが家に来る幼年期から家を出るまで、僕の目を通して見る家族。そして、サクラが起こすちっちゃな奇跡の話かな?私が読んだ感じだと。


読後の感覚がすごくほわほわ(他に表現が見つからない)する感じの本でした。とにかく文がキレイでした。そしてサクラがかわいい(うちの犬ほどじゃないけど)。みんながみんな家族を思いすぎて(主人公だけはよくわからないけど)、だから幸せで、だからちょっとのことで壊れて、ちょっと怖くなるような感じはあった。
ただ、主人公がふらふらしすぎて感情移入しにくい。あと、ちょっと過去編が長いかな。それだけ難点。