失敗学のすすめ

失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)


なかなかのスゴ本でした。大学に入学する前に読みたかったな。もう、卒業だけど…ただ、入学する前じゃちょっと理解できなかったかも。表面的な知識しか身につかなかった感があるのですごく参考になった。一方、まだ企業に属しているわけではないので仕事の内容にたいする結びつきというのはちょっと難しかった。著者も大学の教授ですし、仕事における失敗学の位置というのは、ちょっと理想論に近い気がする。ただ、失敗に対する知識と考え方はすごく参考になるしこれから役に立つのではないかと思う。
以下、内容のちょっとしたメモ。

  • 失敗に対するその後の対処が大事!
  • 批判してはいけない。
  • 聞いたりすることによる→「仮想失敗体験」
  • 思いつきノートを作ってもいいかも
  • 「失敗対策をしないと損」という意識を持たないといけない
  • ひとつのことからいろいろなことに結び付けて考えるのも大事


○全体の中で自分がどういった仕事をしてるか考える→全体を理解する
  ↓
緊急時にミスを犯さず的確に行動するには、その仕事の全体の流れを理解している必要がある

○「仮説立証」「仮想演習」→設計が終わったあと試行錯誤すること→作って満足しない

○「正しいやり方」を学んだ学生たちが身につけた知識は表面的なもの→課題設定さえ自分の力で行う能力が身につかない

○「失敗学」における失敗の定義→「人間が関わってひとつの行為を行ったとき、望ましくない、予期せぬ結果が生じること」
  ↓
不必要な失敗をしない、失敗から人を成長させる新たな知識を学ぼうとする

ハインリッヒの法則「1:29:300」(労働災害における発生確率→設計においても同じ)1件の大きい失敗には29件のクレームとかが隠されていて、その影にクレームまでならない300件の問題がある。

○失敗情報について

  • 失敗情報は伝わりにくく、時間がたつと減衰する
  • 失敗情報は隠れたがる
  • 失敗情報は単純化したがる(細かいところがはしょられる)
  • 失敗原因は変わりたがる
  • 失敗情報はローカル化しやすい(身内だけで保持しようとする)

○失敗の記述化
記述→事象、経過、原因、対処、総括→記録→知識化→伝達